2012年3月10日土曜日

不安について/イメージの軍勢

人を、または人の集団を都合のいいように操ろうと企む場合の、安易な方法。それは「不安にさせる」こと。

どんなに強く大きなものも不安になると脆いからだ。じっとしていれば守りは堅いのに、動揺すると無駄に動き回り隙ができる。リスクの見積もりは狂い、武器は手から滑り落ち、バランスを失って自壊する。

だから草食獣の群れを襲うハイエナも、難攻不落の城を攻める知将も、海千山千の詐欺師も、正面からぶつかる前にじっくりと相手を観察し、混乱させて崩す作業から取りかかる。

逆に崩されないためには不安に支配されないことが大切。不安を感じることそれ自体は、危機を察知するためにむしろ必要な能力だけれど、単になんとなく不安だからという動機だけで行動して、上手くいった試しが無いと思う。こちらを崩そうとする誰かの意図が働いている場合はなおさら。

不安にさせられることを、「直近の未来について悪いイメージを持たされる」と言い換えてもいい。それなら良いイメージを作り出し、保持することで対抗できるかもしれない。
それは現実逃避という意味ではないし、ポジティブ思考だけで全てがうまくいくという極端な楽観論でもない。もっと基本的な原理、自ら思い描くことの方に進むこと。持ち物を思い出すこと。主導権を渡さないこと。

ふと、優れた幻視をするSF作家の小説を思い出す。
絶大なタレントを持った超能力者たちがイメージの軍勢を戦わせ、世界を作り替えていった。